現在、13の都府県で開催されているアマチュアビリヤードリーグ JPAの公式ブログです。
大会での様子やニュース、ラスベガス遠征記などを中心に綴ります。

金曜日, 6月 19, 2009

Tokyo Area Team Championship 2009 回顧録





昨年、日本勢としては初出場を果たした、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで毎年8月に開かれる「APA National Team Championships」。参加者1万人以上、賞金総額1億円以上という空前の規模の大会です。
出場するためには、まず「JPA Tokyo Area Team Championship 2009(以下TTC)」で優勝しなければなりません。


JPAのチームは、最大8名が登録でき、そのうち5名がひとつの試合に出場します。1試合は5人対5人のシングルス戦で行われ、独自のルールに基づいたポイントを多く獲得したチームが勝利となります。

このTTCの出場権を持つチームというのも、最短でも4ヶ月にわたる地区(Division)リーグ戦を勝ち抜いてきたチームです。ラスベガスへの道のりは長く険しいのです。


5月30日(土)。朝8時15分には、すでに300名以上のプレーヤーが、新宿の2ヶ所の試合会場(サムタイム,風林ビリヤード)に集まっていました。
外は雨で湿気が多かったこの日。会場内もこの人数だけに熱気がすごい。皆、緊張もしている。リラックスしようと努めるも、この人だかりにいるときっと興奮は収まらないでしょう。


第2代の日本代表チームとなるべく、この日のためにリーグ戦で必死に勝利を重ねてきた56チームが出場。総勢は430名にものぼります。

9時。一斉に試合がスタート。組み合わせは前週に抽選会を行い決定しました。2回戦までWイリミネーションのトーナメント、この日はベスト16までを選出します。

この大会にかける思いや状況は、みなそれぞれです。
一丸となってラスベガスを目指すチーム。チーム内の和を重んじ、まずは楽しむことを主眼に置いたチーム。
前年度のTTCで敗退したときから、1年間、創意工夫を凝らして戦ってきたチームも沢山あります。


11時すぎ。早いところは試合が終わり出しています。2回戦、敗者1回戦も順次スタート。

15時。“負け負け”のチームは否応なく会場を去る運命です。1年間戦ってきたチームも、同じメンバーではもう戦えないかも知れない・・・

18時。翌決勝日の会場はBAGUS六本木店ですが、3連勝でベスト16進出第1号チームはマイペンライ(東東京Div.)。一方で、2敗して会場を去るチームが増えてきました。

19時。敗者最終戦に入り始めます。勝てば2日目残り、負ければ終了です。試合開始より10時間経過。

20時半。昨年優勝のフレンド・ドラゴンが勝ち抜け、翌日にコマを進めました。

23時半。この日予定していた80試合が全て終了。最後に勝ち抜けを決めたのは道玄坂Neo(BAGUS Div.)でした。



残るは16チーム。全チーム会場となったBAGUS六本木店に朝9時に集結です。この中でただ1チームのみがラスベガス行きの切符を手にします。。。



【組み合わせ】

《ベスト16》
1. マイペンライ vs. 鮪エンペラー
2. フレンド・ペガサス vs. J's Billiards

3. J's-EAST vs. さちこDX
4. Magician's Red vs. 道玄坂Neo

5. レアル下北沢 vs. After Billiards
6. J's 9'in vs. Wada-Qルパン

7. フレンド・ドラゴン vs. Bing Bingz
8. フレンド・タイガー vs. キングサム

《ベスト8》
9. 1と2の勝者
10. 3と4の勝者

11. 5と6の勝者
12. 7と8の勝者

《準決勝》
13. 9と10の勝者
14. 11と12の勝者

《優勝決定戦》
15. 13と14の勝者



《ベスト16》

●マイペンライ vs. 鮪エンペラー

マイペンライはSL9のShimadaさんを第1試合に選出。対する鮪エンペラーはSL5のShimanoさん。
緊張する場面ながらも堂々としたプレイでチームをわかせたShimanoさんでしたが善戦むなしく惜敗。
その後マイペンライはIwataさん,Takasakiさん,Hagiwaraさんと全勝で第5試合を待たず軽やかにベスト8進出となりました。

マイペンライ 55-25 鮪エンペラー

9位タイ: 鮪エンペラー




●After Billiards vs. レアル下北沢

爽やか対決となったこのカード、第1試合は天真爛漫Nishibataさん。対するレアル下北沢はこのところ絶好調な好青年Inadaさん。
両チームとも前日の疲れを全く感じさせないような大激戦でしたが、After Billiardsの勢いは止まる事なく爽やかにベスト8進出となりました。

After Billiards 50-22 レアル下北沢

9位タイ: レアル下北沢




●さちこDX vs. J's-EAST

第2試合までは取って取られての21-19。J's-EAST僅かにリードでしたが、第3,4試合でさちこDXのKuboさん、Udagawaさんが快勝。
J's-EASTもう後がない第5試合、Yokotaさんに全てを託しますが健闘むなしく3勝&50ポイント到達でさちこDXが駆け足でベスト8進出!

さちこDX 50-33 J's-EAST

9位タイ: J's-EAST




●J's 9'in VS 和田-Qルパン

西東京VS東東京(墨田)対決となったこのカード、泣く子も黙る西東京チームの行く手を阻む事はできるのか・・・
第1試合から猛烈な攻撃を仕掛けたJ's 9'inは飛ぶ鳥を落とす勢いでその後もポイントを重ね、その強さを見せ付けました!

J's 9'in 55-25 和田-Qルパン

9位タイ: 和田-Qルパン




●Magicians Red vs. 道玄坂Neo

まだまだ珍しい女性キャプテンMurataさん率いる道玄坂Neo。対するは春トリカップ王者のMagicians Red。トリカップ&チャンピオンシップと2週連続優勝を狙います。
Magicians Redは第1試合から破竹の勢いで連勝。道玄坂Neoに反撃の隙も与えず第4試合途中で50ポイント先取です。

Magicians Red 50-25 道玄坂Neo

9位タイ: 道玄坂Neo




●フレンド・ペガサス vs. J's Billiards

ラスベガス出場経験のあるメンバーを含んだフレンド・ペガサス。対戦するはこれまた強豪ひしめく西東京からのJ's Billiards。
第1試合、フレンド・ペガサスのAraiさんがマスワリを含む快勝でチームに勢いをつけます。続くMurazaneさんも安定感のある落ち着いたプレイで大勝。
第3試合でJ's BilliardsのHasuikeさんが意地を見せますが流れを変える事は出来ず、フレンド・ペガサスはラスベガスに向けて発進しました!

フレンド・ペガサス 55-31 J's Billiards

9位タイ: J's Billiards




●ビンビンズ vs. フレンド・ドラゴン

こちらもラスベガス出場経験のあるメンバーを含んだフレンド・ドラゴン。対するは昨年も3位入賞、春リーグに強いにビンビンズ。
第1、第2試合終わって得点は20-20。ビンビンズは第3試合に先シーズンTOPGAL&TOPGUNを獲得したGoさんを投入。18-2とキッチリ仕事をこなしたGoさんがまたしても勝利の女神となりました!!

ビンビンズ 51-40 フレンド・ドラゴン

9位タイ: フレンド・ドラゴン




●キングサム vs. フレンド・タイガー

またまたラスベガス出場経験のあるメンバーを含んだフレンド・タイガー。対するは静かな闘志を秘めたキングサム。
熾烈な戦いが続く中、迎えた第5試合。ここまでは43-37とキングサム有利ですが相手が相手なだけに予断を許さない場面です。
SL6同士の対決となった第5試合、キングサムは女性プレイヤーIkedaさんを投入。対するはキャプテンKajikawaさん。
プレッシャーのかかる状況ながらも堂々とした戦いぶりでチームを勝利に導いたIkedaさんがベスト8への切符を笑顔とともに手中におさめました!

キングサム 51-42 フレンド・タイガー

9位タイ:フレンド・タイガー




《準々決勝》

●フレンド・ペガサス vs. マイペンライ

第1試合から火花散る対戦となったこのカード。マイペンライはSL9のShimadaさん、フレンド・ペガサスからは昨年この場所でファイナルを戦った経験を持つSL5のObaraさんが出撃。粘り強いガッツのあるプレイを見せたObaraさんでしたが、あと2点届かず12-8でShimadaさん価値ある1勝。
しかしながらObaraさんのプレイに触発されたフレンド・ペガサスのメンバーはあれよあれよとポイントを重ね、5番手のAraiさんがキッチリ仕事をしてフレンドチームの強さをみせつけたカタチとなりました。


フレンド・ペガサス 51-43 マイペンライ

5位タイ: マイペンライ




●キングサム vs. ビンビンズ

第1試合に特攻隊長Satoさんを出したビンビンズは16-4と快勝。そのまま勢いに乗るかと思いきや中盤でまさかの失速。
このあたりからキングサムの得体の知れない不思議な力を感じていたような気がします・・・

キングサム 51-44 ビンビンズ

5位タイ: ビンビンズ




●Magicians Red vs. さちこDX

第4試合が終わり、気がつけば42-38でさちこDXが僅かにリードという展開。もう後がないMagicians RedはSL7のIwataさん、さちこDXはSL3のTakakuraさんを投入。
勝負の行方をひたすら見守ります。普通なら緊張で手が震えるような場面ですがIwataさんは凄かった!。6マス目にマスワリを出すとそのまま一気にゴールしまさかのMagicians Red大逆転!!

Magicians Red 54-46 さちこDX

5位タイ: さちこDX




●After Billiards vs. J's 9'in

第1試合はSL7対決。After BilliardsからはNishibataさん、J's 9'inからはMizutaniさんと対照的な二人の対決となりました。
お互いマスワリ1発ずつという好試合でしたが勝負はMizutaniさんの貫禄勝ち。その後、After Billiardsの反撃により勝負は第5試合勝った方のチームがベスト4進出という気絶するような展開へ。After BilliardsからはGotoさん、J's 9'inからはKishiさんと同スキルの対決となった第5試合は13-7でAfter Billiardsの勝利。GotoさんKishiさん、お疲れ様でした!

After Billiards 52-48 J's 9'in

5位タイ: J's 9'in




《準決勝》

●キングサム vs. After Billiards

勝てばファイナルという大事な一戦。常に笑顔で苦しい試合を乗り越えてきたAfter Billiards、対するは静かながらも不思議な力を秘めたキングサム。
試合は中盤までもつれた展開でしたが第4試合でAfter Billiards・Nakamuraさんが同スキル相手に14-6と快勝し、キャプテンのSL7、Suehiroさんにバトンを渡します。対戦相手はSL8のSuzukiさん。ここまで45-35とAfter Billiards優勢ですが・・・
バンキングを取ったSuzukiさんがいきなりのマスワリスタート!バネのあるのびやかな素晴らしいプレイでギャラリーを沸かせます。対するSuehiroさんも堅実なプレイスタイルを崩す事なく頑張りますが僅かに力及ばず無念の敗退。それと同時にキングサムのファイナル進出が確定しました。
土曜日の予選では朝7時から集まって練習していたというAfter Billiardsのみなさん。長い戦い本当にお疲れ様でした。

キングサム 53-47 After Billiards

3位タイ: After Billiards




●Magicians Red vs. フレンド・ペガサス

二連覇を狙うフレンドチーム。対するは魔術師軍団Magicians Red。第1、2試合終わって20-20の同点でしたが、ここから動き出したMagicians Red。
第3試合でSL2のInagakiさんが14-6と勝利し、同スキル対決となった第4試合はフレンドからはAbeさん、Magicians RedからはAraokaさんが出場。
どちらもスキル以上の素晴らしいプレイを見せますが、Araokaさん相手に2モアを残し辛勝。
西東京、悲願のファイナル進出です!!

Magicians Red 50-34 フレンド・ペガサス

3位タイ: フレンド・ペガサス




この結果、決勝戦は、東大和市ROOTSからの刺客「Magicians Red」と、羽田空港に一番近いお店アリスの「キングサム」の組み合わせとなりました!


《優勝決定戦》

・・・まさにドラマチック、史上空前の大接戦となった決勝戦の内容は、7月4日(土)発売のビリヤード専門誌『CUE'S』(BABジャパン)にて詳報します!!



(文責:やすだ・こういちろう、さかくら・しほ)